平成28年度協会活動(本年度事業計画書)

我が国の経済は、昨年からみられる中国経済への先行き不透明感、世界経済に影響を及ぼす原油安の動きを受け、年初来より円高、株安、その結果として採られた金融政策のマイナス金利等懸念材料が見られるものの、大筋では穏やかな回復基調の中で推移している。

建設業界においては、平成4年度をピークに減少に転じた建設投資に歯止めがかかり、平成22年度をボトムとして増加が見られるとはいうものの、ピーク時には遠く及ばず、加えてオリンピック・パラリンピックの開催が控えている東京等と公共投資が減少している地場建設業界とでは歴然とした格差が顕在化しており、地場建設業は依然として厳しい状況にある。

地域住民の安全な生活基盤の確保と地域経済活動の基となる、社会資本の整備や維持管理の担い手である建設業界にとって経営基盤の強化、経営の安定化を図ることは、地域の安全・安心の守り手として、地域とともに社会的役割を果たしていく為の必要不可欠の課題である。

また、一方で喫緊の課題となっている建設業における担い手の確保・育成を確かなものにしていくための課題でもある。

今、地場建設業界が真に求めているものは、公共投資の安定的・長期的な確保と、昨年から運用が開始された、品確法の「発注関係事務の運用に関する指針」に明示された発注者の責務による適正利潤の確保である。

このような現状を踏まえて、本会の平成28年度事業活動は、魅力ある建設産業の再構築と地場建設業の活性化のため、行政及び関係団体と連携を図りながら次の事業計画に基づき推進することとする。

【1】事業計画

1.災害に強い社会基盤整備の計画的な推進と事業予算の持続的・安定的な確保

(1)公共事業予算の安定的な確保と社会資本整備の計画的な推進

平成28年度の国の公共事業予算は、わずかではあるが平成27年度の当初予算を上回る5兆9737億円が確保された。

国土強靭化基本法に基づく基本計画において示された「国土のグランドデザイン2050」等を踏まえて、昨年8月に国土形成計画の変更が閣議決定されるなど、概ね10年間の国土づくりが示され、九州地方整備局においてもこれらを踏まえ「九州圏広域地方計画」が進められるなど公共事業予算が安定的・持続的に確保される環境が整いつつある。

また、昨年に引き続き、本年2月から前倒しして公共工事設計労務単価の引上げが行われるなど、建設業界へも明るい兆しが見えつつある。

このため、引き続き、全国建設業協会を始め関係団体と連携し、あらゆる機会をとらえ、公共事業予算の安定的な確保と社会資本整備の計画的推進について、国・県等関係機関に提言・要望活動を行う。

(2)意見交換会の開催と提言活動の推進

今年度は、昨年度に引き続き地域建設業界の喫緊の課題や国・県などの政策課題等について積極的に意見交換会を開催し、直面する諸課題の解決に取り組む他、建設工事積算基準の改定を強く要望する。

平成28年度実施する事業計画(意見交換会・会議)

~継続的事業
(1)当会が主催する意見交換会
   ①九州地方整備局と福岡県建設業協会との意見交換会
   ②九州地方整備局(営繕部)と建築委員会との意見交換会
   ③福岡県建築都市部と福岡県建設業協会との意見交換会
(2)全国建設業協会・九州建設業協会の委員会や会議への参画
   ①全国建設業協会 総合企画委員会
   ②九州建設業協会 定例懇談会
   ③九州建設業協会 地域懇談会
(3)関係機関主催会議への参画
   ①九州地区建設物価懇談会

2.地域社会を支える建設業の経営基盤の強化と健全な発展への対応

(1) 建設業の再生・活性化および経営改善への対応
  1. 建設企業の経営に関する各種施策等への対応
    地域を支える建設業にとって経営の健全化は最重要課題である。改正品確法の基本理念である適正利潤の確保を図るため、発注者における運用状況の調査・分析等を行いその結果をもとに入札契約制度や積算基準等について提言・要望を行う他、建設業の担い手の確保、育成のため発注や施工時期の平準化、週休二日制の確保を強く要望していく。
  2. 社会資本の維持管理分野等に関する取組
    急速に老朽化が進む社会資本の大更新時代を迎え、安心・安全な暮らしを確保するうえで、今後、維持・管理分野への重点投資が見込まれることから、社会資本の老朽化対策等に関する工法・知見の活用、地域建設企業の役割、施策の動向等について情報収集・分析を行うとともに、関係機関に対し提言・要望を行い、同分野で会員企業が活躍できる環境整備に取り組む。
(2) 建設業の再生・活性化および経営改善への対応
  1. 公共調達制度等に関する提言・要望
    地域維持型契約方式を始めとする多様な入札契約方式の活用や中長期的な工事の品質確保、受注者の業務効率化・高度化等の課題に対応するための施策、発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方など、各発注者の取組・実施状況を確認するとともに、これに対応した提言・要望を、全国建設業協会を通じて行う。
    また、発注者のマンパワー不足、地域の維持管理体制への懸念、発注者の負担増大等の課題に対応するため、全国建設業協会を通じて提言・要望を行う。
  2. 平成28年度実施する事業計画(情報収集・分析)

    ~継続的事業
    (1)九州建設業協会委員会への参画
       ①九州建設業協会建築委員会・・・2回開催
       ②九州建設業協会土木委員会・・・2回開催
    (2)改正品確法の運用指針に定められた事項について、発注者の運用状況、受注工事における収益性等について、情報収集及び分析
  3. 入札契約制度等に関する情報収集および情報提供等の取組
    全国建設業協会を通じて入札契約制度の変更等の情報を収集するなど、関係情報の収集に努め、会員企業への情報提供を図る。
(3) 建設生産システムの高度化に向けた対応
  1. 建設生産システムに関する諸問題への取組
    情報化施工やCIM等建設業におけるICT技術の推進、プレキャスト化等による規格の標準化、施工時期の平準化など建設産業の生産性向上の施策に関する情報収集に努め、会員企業への情報提供とともに、関係機関に対して改善要望を行う。
    また、建設工事の施工段階における諸施策が適切に運用され、適正な利潤が確保できるよう、関係機関や建設企業の現場担当者等との意見交換会を行い、課題等を集約・整理するとともに、関係機関に対して提言・要望を行う。
  2.      
  3. 建設技術者の技術力等の確保と維持向上等に関する取組
    会員企業技術者の自己研鑽・技術力向上のための諸方策について検討するとともに、体系だったCPD、CPDS認定取得機会の構築と講習会等の開催を行う。
平成28年度実施する事業計画(講習会)

~継続的事業
   ①建築委員会関係・・・2回開催
   ②土木・道路委員会関係・・・2回開催
   ③各支部から独自の意見を吸上げて開催する講習会

~新規取組
   ①必要に応じ研究会を立ち上げ研究する
(4) 建設副産物、環境関係法令への対応

国が定めた「建設リサイクル推進計画2014」の策定を受けて、建設企業がより一層高い意識を持って取り組めるよう、情報収集と会員企業への情報提供を行うとともに、環境関連法令等に対する情報収集に努め、必要に応じて関係機関に対して、提言・要望を行う。

3.建設業の担い手確保と労働災害防止対策の推進

(1) 地域建設業の将来の担い手確保・育成対策の推進
  1. 人材確保対策への取組み
    「将来の地域建設産業の担い手確保・育成のための行動指針」に基づき、将来の担い手である若者にその将来を託せる夢のある建設業を実感してもらうため、労働環境や処遇の改善を広く検討するとともに、インターンシップの取組についても研究を進める。
    また、高齢者、女性、外国人労働者など多様な人材の活躍の機会拡大について検討する。
    さらに、「建設産業担い手確保・育成コンソーシアム」による地域連携ネットワークの構築についても検討する。
    平成28年度実施する事業計画(担い手育成事業)

    ~継続的事業
    (1)当会が主催する会議・事業
       ①福岡県建設人材対策協議会会議
       ②新入社員研修
       ③高校生及び現場関係者親子の現場見学会
       ④インターンシップの研究
    (2)九州建設業協会委員会への参画
       ①九州建設業協会労務対策委員会
    (3)関係機関主催の会議・事業への参画
       ①福岡県建設雇用改善推進対策会議
    ②建設業担い手確保・育成コンソーシアム利用方法の検討

    ~新規取組
       ①ステップ型専門研修会への参画
    ※ステップアップ研修:必要とされる技能等へ理解を深めるため、座学と併せて、建設のしごと見学を実施し、若者の入職と職場定着を図る
  2. 社会保険未加入対策に関する取組
    「社会保険の加入に関する下請け指導ガイドライン」に基づき、法定福利費を含めた標準見積書の活用等について下請け指導をさらに徹底する他、「社会保険加入促進Q&A」を活用して、社会保険加入の促進に努める。また、社会保険未加入対策に関する広報活動にも努める。
    その他、賃金、休暇、社会保険等、建設労働者の労働環境の改善に資するため、会員企業に対し、「建設労働者確保育成助成金」等の各種支援策の活用に関する情報提供に努める。
  3. 労働安全衛生対策の推進
    労働安全衛生法に基づく対策を周知・徹底し、労働災害の防止に努めるとともに、建災防等団体との連携を密にし、諸事業の実施に関する情報収集に努め、会員企業に提供する。

4.建設業における社会的責任への対応

(1) 行動憲章に基づくコンプライアンスの徹底

暴力団排除条例の全国施行、品確法の改正等を踏まえて改定された「建設企業(団体)行動憲章」について会員企業に周知し、建設企業のコンプライアンスのさらなる徹底に取り組む。

(2) 建設業における社会貢献活動の推進

当協会の社会的貢献活動の充実を図るとともに、建設業が国民・社会から正しい理解が得られるよう啓蒙活動等に努める。

平成28年度実施する事業計画(社会貢献活動)

~継続的事業
   ①勤マルの日活動(地域清掃活動)
   ②献血活動
   ③緊急災害支援活動
(3) 災害対応に係る体制の整備

記録的な豪雨災害等の大規模災害が頻発する中、防災・減災対策、災害対応等を担う建設業界として災害予防や応急復旧活動について関係行政機関と連携強化を図る。

また、災害対策基本法に定める「指定公共機関」に指定された全国建設業協会の会員として防災業務計画に基づき災害対応に係る必要な体制構築に向け研究を行う。

5.戦略的な広報活動の推進

建設業の果たす役割や必要性について、国民・社会から正しく理解され、若者が夢を以て将来を託せる魅力ある産業とするため、建設業界の実態や主張を効果的に発信し、積極的な広報活動を行う。

本会ホームページや広報誌「ひと・まち・ふくおか」を活用し、建設業の社会的使命・業績並びにその魅力を伝える。

平成28年度実施する事業計画(広報活動)

~継続的事業
   ①広報誌「ひと・まち・ふくおか」の発刊・・・年3回
   ②ホームページの活用
   ③建設関連団体合同 新年賀詞交歓会

【2】関連事業計画

  1. 関係各官公署との連絡協議
  2. 全建・九州ブロック並びに各都道府県との連絡協議
  3. 会員所在各市との連絡協議
  4. 各地区会員との連絡協議並びに活動援助
  5. 建設関係功労者表彰候補者、全建表彰候補者の推薦並びに協会表彰の実施
  6. 事務局の事務合理化
  7. (株)福岡建設会館、建退共福岡県支部、福岡県建設業厚生年金基金に対する業務援助
  8. 関係団体に対する協力援助
      ・福岡県建設関連産業協議会
      ・西日本建設業保証(株)
      ・(公財)建設業福祉共済団
      ・(一財)建設業振興基金
  9. 各種関係団体並びに報道関係者との連絡協議
  10. 全建・九州ブロックと緊密な連携による施策の推進
  11. その他本会の目的を達成するに必要な事業

◎上記事業計画推進のための必要な調査・視察等の実施、法令の制定・改正に伴う説明会、各種講習会等を開催(支援)する。